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 店舗全体が約4メートル浸水した水戸市渡里町のホームセンター「山新渡里店」。水は引いたが、敷地内に泥やがれきの山が残り、横たわる宝くじ売り場からは室外機がぶら下がる。

 「こんなことになるとは。全く想像していなかった……」。18日午後、大島隆文店長(41)がため息をついた。16日から営業再開に向けた作業を始めたが、現在も店内の片付けには手がつけられていない。「ホームセンターは地域が被災したときこそ営業し、役に立たないといけない。時間はかかるが、待っているお客さんのために一日でも早く営業を再開させたい」と話した。

 水没した常磐道水戸北スマートICのある同市飯富町。息子と2人で営む柏純一さん(70)の中華料理店も、1階の屋根近くまで水につかった。17日に市がごみを収集してくれたことで「気持ちが少し楽になった」。

 食器や家具を洗剤で洗いながら、「片付けている間は前向きになれるけれど、夜は何度も目が覚めるし、朝は気持ちが沈む」と吐露する。「今は先のことは何も考えられない。開店してちょうど3年、せっかく軌道に乗り始めたところだったのに」とうつむいた。

 店の移転も考えている。「数十年に一度の災害と言っても、来年も来ないとは限らない。そう考えると、ここで営業を再開するのが正しいのか……」

 那珂川の支流、藤井川の堤防2カ所が決壊した同市藤井町で歯科を営む増田友邦さん(39)は「何よりも堤防の復旧を急ピッチで進めてほしい」と話す。院内の清掃のためボランティアを申請したが、まだ一人も来ていないという。「患者さんのためになんとか再開したいが人手が足りない」

 また、罹災証明書の申請をしようとしたところ、浸水した長さをメジャーで測り、写真を印刷して持参するよう言われたという。「メジャーを持たない人もいるし、プリンターが水没して使えない人もいる。もっと臨機応変に対応してほしい」と要望する。

 同市飯富町の飯富中学校は18日、授業を再開。校舎には一週間ぶりに子供たちの笑い声が響いた。自転車通学の生徒がほとんどだが、通学路の安全性が確保できていないとしてこの日の登下校は保護者が送迎した。体育館やグラウンドは避難所や仮設の浴場、避難者の駐車場として利用されているため、体育の授業は隣の飯富小を借りて実施する予定だ。久保田直人校長は「子供たちが楽しそうに友達や先生と話す姿が見られて本当によかった。家庭によって状況は様々なので、一人ひとりに寄り添った対応をしていきたい」と話した。(佐々木凌)