拡大する写真・図版小田和正さん=西田裕樹撮影

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小田和正さん 本紙独占インタビュー〈下〉

 「今回は勉強になったし、貴重な時間をたくさん過ごさせていただきました。感謝してもしきれません」

 J―POP界を牽引(けんいん)してきたアーティスト、小田和正さん(72)は、そう客席に語りかけました。7月末、松山市の愛媛県武道館、昨年5月から始まった全国ツアーの最終日のこと。ツアーは追加公演を含む24会場、64公演で55万人を動員しました。花道を駆け回り、客席に下りていく。バラードはピアノの弾き語りでしっとりと。ライブの合間に流すVTR「御当地紀行」のために会場に前日入りし、観光地などをめぐる。さりげないMCにも毎回頭を悩ませる――。すべては「お客さんに喜んでもらいたいから」。

 来年、デビュー50周年の小田さんに、音楽との向き合い方、「良い曲」とは、72歳という年齢について思うこと、オフコース時代から東日本大震災まで、様々な質問をぶつけてみました。

(先に読む)オフコース解散 コンピューターが小田和正の「福音」に
小田和正さん 本紙独占インタビューは、上・中・下と番外編の計4本です

拡大する写真・図版ライブで客席の間を歩く小田和正さん

〈おだ・かずまさ〉 1947年、横浜市生まれ。東北大卒業、早稲田大大学院建築科修了。69年、オフコースを結成。「愛を止めないで」「言葉にできない」などが大ヒット。82年、日本武道館で連続10日間公演。89年の解散後、ソロ活動へ。「ラブ・ストーリーは突然に」(91年)が270万枚を売り上げた。02年のベストアルバム「自己ベスト」は出荷数300万枚、史上初の500週トップ300入り。16年のオールタイムベストアルバム「あの日 あの時」で最年長1位(当時)を獲得。11月27日、ライブ映像を収めたDVDとブルーレイが発売。

     ◇

 ――2000年末の年越しライブから、客席に花道が登場し、01年にはTBS系の年末特番「クリスマスの約束」も始まった。

 「もっとお客さんの近くへ」という気持ちがあったんだな。(地元をめぐり、ライブの合間に流すVTRの)「御当地紀行」は95年に始めた。せっかくそこに来たんだし、同じことの繰り返しでなく、その土地、土地でしかなかったことを何かやりたいと考えた。あと、オフコースの時からライブで客席に下りていくことは何度かあったんだけど、いつもお客さんがとってもうれしそうな顔をしてくれた。ミレニアムの年越しのライブの時に、こんな寒いなか来てくれたし、地元だし、「できるだけみんなの近くに行こう」と思って、花道をつくったら、案の定どころか、すごい喜んでくれて。ああ、こんなに喜んでくれるんだってね。

拡大する写真・図版2001年の「クリスマスの約束」の1回目。小田和正さんは7人のアーティストに自筆の手紙で参加を依頼したが、断られ、たった一人で演奏した

 事故のこととか、客席に下りていったこととか、御当地とか、「クリ約」とか、全部がだんだん同じベクトルの方向に向いて、同じ目的に向かって、自分の中でつじつまがあったのかな。今となっては一つの固まりとなって進んできた。「お客さんに喜んでもらわなきゃ」って。わざわざ来てくれてんだからね。オフコースの頃とか、わざわざ来てくれてなんて気持ちはどうだったんだろうって思う。一人になって、わざわざ来てくれて、来てくれた分のことはちゃんとこたえなきゃという気持ちが強かった。

 ――「クリスマスの約束」はどのような経緯で始まったんですか。

 TBSがある番組で「さよなら…

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