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 世界保健機関(WHO)は、自然災害の被災地や感染症の流行地で様々な団体が得た情報を、書式や言葉の定義などをそろえることなどで、国際的に共有しやすくするための指針をつくる。兵庫県淡路市で指針を議論する初めての国際会議が開かれた。阪神大震災をきっかけにつくられたWHO健康開発総合研究センター(神戸市)を中心に議論を進め、2021年の完成を目指す。

 今回の会議には、WHOから同センターと本部ジュネーブ(スイス)、世界6地域の担当者や、研究者ら約20人が参加。災害の頻度が少なく、備えが十分でない国に対して、他国の知見を提供できるようにするなど、国際的な連携を進める方法を話し合った。

 災害や感染症などで、人々の命や健康が脅かされた場合、様々な団体が医療支援や研究にあたるが、これまではバラバラに報告書がつくられるなど、情報や教訓はあまり共有されてこなかった。医療関係者が被災者を診て記入する健康情報の書式が、国や団体ごとに異なることもあった。

 そのほか、災害が発生してからの期間として使う「短、中、長期」や、災害で直接犠牲にならなくても、避難生活で体調を崩すなどして亡くなる「災害関連死」といった、定義があいまいな言葉の問題などを議論。より多くの研究者や行政関係者が情報共有しやすいような指針をつくることを決めた。

 同センターの茅野龍馬医官は「災害や保健医療の政策は、(各団体による情報などから得られる)科学的な証拠をもとに進めなければならない。一つの国だけではなく、世界でスクラムを組んで発展させられるよう、指針をつくっていきたい」と話した。(鈴木智之)