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 プロ野球の新人選択(ドラフト)会議で、ヤクルトから1位指名を受けた石川・星稜高の奥川恭伸が18日、同校で、担当スカウトらから指名のあいさつを受けた。高津臣吾監督が直筆で「神宮で待っています」と記した当たりくじを手渡され、「徐々に実感がわいてきた」と語った。ただ、前日と変わらず、笑顔が少ない。

 3球団から1位指名を受けた17日夕のドラフト会議。中継を見守っていた奥川は、硬い表情だった。抽選の末にヤクルトが交渉権を引き当てても、笑顔はなかった。準優勝した今夏の甲子園では「必笑」をテーマに掲げ、ピンチでも笑顔を絶やさずに切り抜けてきたのに、なぜだったのか――。

ドラフト2019 12球団指名選手一覧(2019年10月17日20時46分更新)

ヤクルト
順位 氏名 守備 所属
1 奥川恭伸 星稜
2 吉田大喜 日体大(大冠)
3 杉山晃基 創価大(盛岡大付)
4 大西広樹 大商大(大商大)
5 長岡秀樹 八千代松陰
6 武岡龍世 八戸学院光星
中日
順位 氏名 守備 所属
1 石川昂弥 東邦
2 橋本侑樹 大商大(大垣日大)
3 岡野祐一郎 東芝(聖光学院・青学大)
4 郡司裕也 慶大(仙台育英)
5 岡林勇希 菰野
6 竹内龍臣 札幌創成
広島
順位 氏名 守備 所属
1 森下暢仁 明大(大分商)
2 宇草孔基 法大(常総学院)
3 鈴木寛人 霞ケ浦
4 韮沢雄也 花咲徳栄
5 石原貴規 天理大(創志学園)
6 玉村昇悟 丹生
阪神
順位 氏名 守備 所属
× 奥川恭伸 星稜
1 西純矢 創志学園
2 井上広大 履正社
3 及川雅貴 横浜
4 遠藤成 東海大相模
5 藤田健斗 中京学院大中京
6 小川一平 東海大九州(横須賀工)
DeNA
順位 氏名 守備 所属
1 森敬斗 桐蔭学園
2 坂本裕哉 立命大(福岡大大濠)
3 伊勢大夢 明大(九州学院)
4 東妻純平 智弁和歌山
5 田部隼人 開星
6 蝦名達夫 青森大(青森商)
7 浅田将汰 有明
巨人
順位 氏名 守備 所属
× 奥川恭伸 星稜
× 宮川哲 東芝(東海大山形・上武大)
1 堀田賢慎 青森山田
2 太田龍 JR東日本(れいめい)
3 菊田拡和 常総学院
4 井上温大 前橋商
5 山瀬慎之助 星稜
6 伊藤海斗 酒田南

 ドラフト会議の1巡目の指名は、ペナントレースの下位球団から順に、選択希望選手の名前が読み上げられる。今年は、セ・リーグ最下位のヤクルトが最初。いきなり自分の名前が挙がり、阪神、巨人でも名前が読み上げられた。気持ちを落ち着ける間もなく、思いのほか一気に、抽選まで進んでしまったからだという。

 抽選が終わった後も、すぐに笑顔になれなかった。それがまた、周囲のあらぬ臆測を呼んだ。ただ、それは、ヤクルトが意中の球団だったかどうかが理由ではない。「『あっ、始まった』と思ったときに、もう名前を呼ばれてしまったので……。そこからずっと不思議な感じでした」と振り返った。

 彼はまだ10代の高校生。プロという未知の世界からこうもすんなり声がかかり、ちょっと逡巡(しゅんじゅん)してしまったのかもしれない。

 奥川は思慮深く謙虚だ。ドラフト会議後の取材で、プロで活躍するためのアピールポイントをたずねられたとき。150キロ超の速球の球威も抜群の制球力もあるのに、「武器はないので……」とか細い声で答えていたのが印象深い。自分がまだ、プロのレベルを知らないことを自覚しているのだろう。

 「ここからが本当の勝負。気持ちを引き締めていきたい」と奥川。それが一番の本音であると、表情が物語っている。(小俣勇貴