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 将棋界の覇権争いが群雄割拠の様相を呈している。羽生善治九段(49)が無冠となり、20代と30代がタイトル戦で活躍する中、10代の藤井聡太七段(17)のタイトル初挑戦が現実味を帯びてきた。一方、ベテランの木村一基王位(46)が、歴代最年長で初タイトル獲得という快挙を果たした。今後、「時計の針」は進むのか、それとも戻るのか――。

 10月21日。渡辺明王将(35)=棋王、棋聖とあわせ三冠=への挑戦権を争う第69期王将戦の挑戦者決定リーグ戦(通称・王将リーグ)で、羽生と藤井が対戦した。ここまで羽生は2勝、藤井は2勝1敗。注目の対決は藤井が82手で制した。公式戦で両者の顔が合うのは、昨年の第11回朝日杯将棋オープン戦の準決勝以来、1年8カ月ぶりだった。

 藤井はこの勝利で3勝1敗となり、リーグの暫定トップに立った。「いいペースなので、残り2局、全力を尽くして挑戦を目指したい」。タイトル獲得100期の大台到達まで「あと一つ」に迫っている羽生は「まだリーグは続いていくので、残りの対局も全力を尽くしていきたい」と話した。

 将棋界は近年、世代交代が進みつつある。羽生は昨年末、27年ぶりに無冠となり、再起を図る立場となった。今年2月には、渡辺が久保利明九段(44)から王将を奪取。八つのタイトルの保持者は渡辺や豊島将之名人(29)など、全員20代と30代になった。進行中の第32期竜王戦七番勝負も、広瀬章人竜王(32)と豊島が争っている。

 こうした流れにあらがったのが木村だ。6月に第60期王位戦の挑戦者に名乗りを上げ、豊島から4勝3敗でタイトルを奪取した。46歳3カ月での初タイトル獲得は、従来の記録を9歳も更新する快記録だ。

 木村は今回が7回目のタイトル挑戦。獲得まで「あと1勝」に度々迫りながら、逃してきた。9月26日に決着した第7局の後の囲み取材で、「今回なぜ勝てたのか」と問われると、「わからないですね。たまたまだと思います」。その一方で、最近は将棋に取り組む時間を増やしてきたことを明かした。移動中などにも、将棋の作戦のことを考えるように努めたという。

 棋士は40代半ばを過ぎると、成績が下降線をたどることが多い。年齢についての質問には、「いいイメージのものは一つもない。3年ぶりの2日制だったが、やはり疲れる。戸惑いながらやっていた」「40代の半ばになって、現実的にはどんどんきつくなっていると感じる。自分なりに研究の時間を増やして頑張るしかない」。慎重な言葉が続いたが、気を緩めないこうした姿勢も大願成就に結びついたと言えるだろう。

 木村王位は豊島二冠(当時)との対戦前、「まず『ストレート負けしないように』と考えるんですよ。それでは情けないなと、自分でも思うんですけど」と語っていた。「上昇志向ではなくて、現状維持思考」。王位戦開幕前のインタビューから、木村王位の本音を探った。

―― タイトル挑戦に向けての心…

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