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 カナダの下院議員を選ぶ総選挙(定数338)が21日、投開票される。世論調査では2大政党の自由党と保守党が接戦を演じ、両党とも単独過半数に達する見通しは立っていない。自由党党首のジャスティン・トルドー首相が2期目を迎えられるかが焦点になる。

 カナダの公共放送CBCによる各種世論調査のまとめでは、19日現在の獲得議席予測は、自由党141▽保守党121▽ケベック連合39▽新民主党34。単独過半数には170議席が必要で、選挙結果次第では、複数政党が協力関係を結ぶ可能性もある。

 トルドー氏は4年前の総選挙で、自由党にとって9年ぶりの政権奪取に貢献した立役者。女性を多数閣僚に登用した上、環境問題にも精力的に取り組み、リベラルな政策が高い評価を得てきた。経済も好調で、失業率も低下させた。

 ただ、今年に入り、大手建設会社の贈賄事件に介入しようとした疑惑が浮上。さらに、北米ではタブーとされる、顔を暗く塗るメイクを過去にしていたことが選挙戦直前に発覚した。

 そのため、選挙戦では政策面より、トルドー氏の人格に注目が集中。保守党のアンドリュー・シーア党首は「いんちきで、詐欺師だ」などとトルドー氏を攻撃。トルドー氏は「保守党のやっているのは、カナダ史上最も汚い選挙キャンペーンだ」と反発した。

 有権者の視線も厳しい。前回は自由党に投票したオタワ市民の美容師、アガタ・マチェジンスカさん(38)は「4年間で、トルドーはイメージだけいうことがはっきりした」と指摘。投票先を変えるという。

 一方の保守党も支持を広げるほどの決め手に欠く。2大政党の支持率がそれぞれ3割程度と伸び悩む中、東部ケベック州で分離独立を主張する地域政党、ケベック連合は、解散前の10議席よりも大幅に議席を伸ばしそうな情勢だ。

 また、自由党との協力に意欲を示す新民主党も終盤に支持率を大きく上げた。カナダメディアは、仮に自由党が第1党になれなくても、新民主党と協力関係を結ぶことで、トルドー氏が首相の座にとどまる可能性を指摘する。

 トルドー氏は新民主党との協力について、肯定も否定もしていない。保守党のシーア党首は「最も多くの議席を獲得した政党が政権を握るべきだ。それがカナダ政治の近年の慣習だ」と釘を刺している。(オタワ=藤原学思)