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 認知症の人が「見ている世界」をバーチャルリアリティー(VR)の映像で体験する催しが19日、岐阜県笠松町長池であった。近隣の住民や介護関係者ら88人が参加した。

 サービス付き高齢者向け住宅「笠松いきいき倶楽部」(24室)の開業前の内覧会に合わせて、施設内で開かれた。

 VR映像は7分ほど。朝日新聞社が開発し、岐阜県内での体験会は初めて。「階段を下りる」「幻視」「自動車の運転」の三つの場面があり、医師が原因や対処法を紹介する。たとえば階段を下りる場面では、空間を把握する認識能力などが低下することから、おそるおそる足を踏み出す様子がうかがえる。

 参加した男性(74)は「階段では手を添えてあげた方がいい」、60代の女性も「車の運転が遅くなるのは、こうやって起きるのかもしれないと分かった」と話した。

 施設を営む社会福祉法人高佳会の高田良彦理事長(61)は、歯科医師として高齢者の治療に携わってきた。「認知症の症状を周りの人が理解することで、コミュニケーションの取り方が変わる。地域で理解が広がれば」と話していた。(高木文子)