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 欧州連合(EU)からの離脱派が残留派を上回った英国の国民投票から3年余。離脱による社会・経済の混乱を避けるための協定案の審議が19日、英国議会であった。今後の英国のあり方を決する採決は、超党派の議員が手を結び、土壇場で延期された。

 「ブレグジット(英EU離脱)はまっぴらだ。望むのは国民投票だ」。ロンドン中心部の通りは19日午後、EU離脱に反対し、再度の国民投票を求める大量の人々で埋め尽くされた。

 ロンドン郊外に住むイアン・ダビソンさん(64)は「ジョンソン首相は非常に重大な間違いを犯した。英国はEU諸国と一体であるべきだ。今からでも遅くはない。国民の声を聞いてほしい」と話した。

 同じころ、討論が白熱した議会下院ではメイ前首相が発言していた。「話はシンプルだ。この国を前進させたいなら、我々はきょう協定案可決に票を投じるべきだ」。それまで激しい調子で新協定案を攻めたてていた反対派議員も、その言葉に真剣に耳を傾けた。

 国内の意見が大きく割れた状態で協定案が承認される事態の回避を図って、採決の先送りを求めた動議は、協定案の賛成派と反対派とのぎりぎりの攻防のなかで突然、浮上した。

 ジョンソン首相の強硬姿勢に反発して保守党を除籍された議員と野党議員が協調した動きだ。

 政権は、新協定案について19日までに下院の承認を得られない場合、EUに離脱延期を要請するよう、法で義務づけられている。動議が通れば一転、「離脱延期」に向かって事態が動くことに着目した、崖っぷちでの連携だった。

 「EU側にも、1日たりとも離脱を遅らせたい気持ちはほとんどない」。19日、ジョンソン首相は議員にこう語り、同日中の承認を訴えたが届かなかった。

 下院では与党・保守党は大きく過半数割れしているが、野党議員の一部にも賛成の動きが広がり、承認か否決かの見立ては拮抗(きっこう)していた。軒並み合意に反対する野党の中で、最大野党・労働党のオン議員は離脱支持者が多い選挙区の選出で、「これが政治を立て直し、国を一つにする唯一の道だ」として同僚議員にも賛成を呼びかけていた。

 政権には追い風だったが、採決は21日以降に持ち越され、ジョンソン氏が「死んだ方がまし」としていた離脱延期が現実味を増した。行方は一気に不透明になった。(ロンドン=下司佳代子)

英経済界に広がる失望感

 協定案の採決が延期されたことで、英経済界には失望感が広がった。最も懸念してきた「合意なき離脱」の可能性がいまだ消せないためだ。

 合意ができないまま今月末の離…

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