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 演技直前、坂本花織(シスメックス)は焦っていた。「足の感覚がフワフワしていて、力が入らなかった」。そこで、足をたたく。「もう、なんか、働かせるために一発、バシバシってたたいた」。不安をかき消した。

 練習から苦しんだという冒頭の3回転フリップ―3回転トーループの連続ジャンプを決めた。これで勢いに乗り、ダブルアクセル(2回転半)、3回転ループも成功。スピン、ステップも取りこぼしはなく、ノーミスの演技を披露し、思わず右拳をにぎってガッツポーズ。「足をたたいたら目覚めたらしく、本番で跳べました」と冗談っぽく笑い、「3回転の連続ジャンプを降りて、ホッとした」と胸をなで下ろした。

 首位のブレイディ・テネル(米)とは1・85点差。4回転ジャンプを跳ぶアンネ・シェルバコワ(ロシア)には5・65点差をつけた。勝負のフリーに向けて、坂本は「フリーの最後のジャンプを降りるまでは、油断もできないし、気も抜けないので」。ロシア勢の躍進が予想され、日本勢は劣勢という見方がある今季のGPシリーズ。そんな雑音を打ち消そうと、全日本女王が第1戦の優勝を目指す。(大西史恭