[PR]

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会は20日、初めて決勝トーナメントに進んだ日本代表が準々決勝で南アフリカと対戦する。W杯開幕前、日本で最もポジション争いが激しかったのはSH。今大会、全5試合で先発するのが流大(ながれ・ゆたか、27)=サントリー=だ。統率力と機敏なプレーでチームを引っ張っている。

 南アフリカ戦を前に流は言った。「大きな声でFWにエナジー(活力)を与え、作戦を遂行するのが僕の役割」。「リーダーグループ」の一員で、チームで一番、声を出す。試合翌日のウェートトレーニングなど、チームメートが疲労で沈んでいる時も大声で活を入れる。スコットランド戦の前には練習でオフサイドの反則が続くと「(相手の)SHレイドローにPGで12点取られるぞ」と注意し、チームを引き締めた。

 流は帝京大で大学選手権6連覇(後に9連覇)を達成した時の主将。卒業後に進んだサントリーでもすぐ、リーダーシップを評価され、名門チームでは異例となる加入2季目での主将抜擢(ばってき)となった。

 日本代表のジョセフヘッドコーチは就任当初、選手層の薄さが気になっていた。「育成が必要だ」と、若きリーダーの一人として流に注目した。「流はいい選手。ハーフタイムには主審と積極的にコミュニケーションを取っている」。積極的な姿勢をほめる。

 熊本・荒尾高(現・岱志(たいし)高)で、自らの練習態度で周囲を引っ張ることを学んだという流。意識は高く、その頃、自宅の部屋の寝床から見上げる天井に「日本代表」と書いた紙を貼り、目標を定めている。

 いま、その日本代表で、166センチの小柄な体で大きな存在感を示す。「次の試合、南アは(小さな)僕をねらってくると思うけど、誇り高く戦う」。そう決意している。(能田英二)