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 台風19号による土砂崩れで、神奈川県相模原市緑区牧野(まぎの)地区の佐々木睦(むつお)さん(67)と妻の定子さん(63)が、行方不明のままだ。現場は険しい地形のため重機を使えず、2人の捜索は難航している。

 山梨県境に近い相模湖の南西2キロ余り。山間部の小高い山の一角が上下約340メートル、幅約60~100メートルにわたって崩れていた。茶色い土砂は木々を根元からなぎ倒し、道路などの人工物を消し去った。そこにあったはずの民家も。

 近くの集会所に20日、夫婦の親族が待機していた。離れて暮らす長男(41)は「ここまで長期化するとは思っていなかった。たくさんの人に捜してもらっているので、状況を見守りたい」と言葉少なに話した。睦さんは東京消防庁の元職員、定子さんは近くの病院で働いているという。

 相模原市消防局と県によると、12日午後9時45分ごろ「土砂崩れで家が流された」と近所の人から119番通報があった。中腹にあった佐々木さんの2階建ての家は、約80メートル下の沢まで流された。土砂が少なくとも数メートル積み上がり、屋根の一部がかろうじて見えている状態だったという。佐々木さん宅の上部の斜面は斜度が基準値未満で、土砂災害警戒区域には指定されていなかった。

 消防、神奈川県警、陸上自衛隊は13日昼、計約90人で捜索を開始。18日からは沢の下流の川や、相模湖へも範囲を広げた。20日は167人、21日は約200人を投入した。9日間で延べ約970人となる。

 だが、沢へ重機を運ぶ道路がない。谷には高圧電線が渡り、ヘリコプターも近づけない。シャベルなどを使って手作業で土砂を取り除いているが、水を含んだ粘土質の土は重く、思うようにはかどらない。

 陸自座間駐屯地(同市南区)司令の尼子将之1等陸佐は20日、取材に「最初はロープを伝って現場に入った。崩落した土砂はぬかるみ、水も出ていて二次災害の恐れもある。捜せていない場所がまだまだある」と話した。家の内部はまだ捜索できていないという。

 現場を見渡せる向かいの斜面に…

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