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台風19号支援通信

 水につかってしまった自宅を片付けたり、ボランティアで手伝ったりする時には、どんなことに気をつけたらよいか。被災地支援などに取り組む任意団体「震災がつなぐ全国ネットワーク」は、浸水被害からの生活再建の手引「水害にあったときに」をウェブサイト(http://blog.canpan.info/shintsuna/別ウインドウで開きます)で公開している。

 まずは、服装。ほこりや砂を避け、釘や木材でけがをしないように、長袖長ズボンを着用して、マスクをする。手にはゴム手袋を。軍手の上からゴム手袋をすると蒸れにくい。

 水がたまって足もとが見えないとき、特に気をつけたいのが、飛び出した釘を踏み抜いてしまうこと。傷口から菌が入り、破傷風にかかるおそれがある。長靴を履き、踏み抜き防止用のインソールがあればなお安心だ。

 自宅の片付けを始める前に、被害の様子が分かる写真を撮る。自治体から罹災(りさい)証明書を発行してもらったり、保険金の請求をしたりするのに役立つ。

 家の外を4方向から、つかった深さが分かるように写す。引き気味、アップなど、何枚も撮っておく。人を一緒に写すと、浸水の高さが分かりやすい。家の中、車や物置も、手をつける前に撮影する。「泥のたまり具合によっても、被災の区分が変わることがあります。写真を罹災(りさい)証明書の代わりにできる場合もあるので、たくさん撮っておいてください」と、「震災がつなぐ全国ネットワーク」事業担当の松山文紀さんは話す。

 今回は災害が広範囲にわたるため、罹災証明書の発行手続きには時間がかかることが見込まれる。急いで出してもらおうと役所に大勢の人が詰めかけると、かえって作業が遅れるおそれがあり、慌てない方がいいという。

 掃除・片付けの作業中に気をつけることは何か。

 松山さんは「どうしても早く終わらせようと考えがちで、捨てるか残すかの判断もだんだん嫌になってしまいますが、一気に捨ててしまって後から悔やむこともあります」と話す。残したいもの、使えるかもしれないものは急いで捨てず、落ち着いてから改めて考えるのも一つの方法だ。

 ぬれてしまった物は「そのまま使える」「乾かして使う」「処分する」に分ける。再利用が難しいのは、水につかった布団や畳、じゅうたん、家電製品など。木製(合板)のたんすや棚も、乾いたように見えて後からカビが生えることも。きれいにすれば使えるかもしれないのは、食器や衣類など。トイレや風呂釜は、電気系統がぬれていなければ使える場合もある。

 アルバムや写真も、しっかり洗って乾かせば、復元できる可能性がある。「お金で買えないものは、急いで捨てない方がよいと思います」

 ごみ捨ての場所や方法は、普段と違うことがあるため、自治体からの情報を確かめる。ごみを出す時に大事なのが、分別だ。タンスなどの木製品や木材、家電(リサイクル家電とそうでないもの)、スチールなどを分けておくことが、自治体職員の手間を増やさず、早い収集につながるという。

 床下の泥をかき出し、乾燥させることは急いだ方がよい。カビや悪臭の原因になるからだ。自分でするのが難しい場合は、施工業者などに依頼する。

 片付けには時間がかかる。無理は禁物だ。こまめに休憩し、水分をとる。砂やほこりも多いため、うがいや手洗い、消毒をする。

 多くの被災地にボランティアセンターが設けられている。「特に高齢者や一人暮らしの人は、手伝いを頼むことをためらわないでほしい。ツイッターなどの情報を得にくい人もいるかもしれないので、周りの人が気にかけていただければ」と松山さんは助言する。(栗田優美)