[PR]

 台風19号の通過から1週間が過ぎ、県内の被害の全容が徐々に明らかになってきた。浸水被害はさらに膨らみ、1万9千棟を超えた。鹿沼市で休校が続く小学校が再開の見通しとなり、那須烏山市などで続いていた断水は全地域が解消した。東武線も24日から全線で復旧する。

 県は21日、台風19号による浸水被害を1万9237棟と発表した。床上は9893棟、床下は9344棟。栃木市は計1万3800棟、佐野市は2682棟。住家損壊は全壊6棟を含む計33棟に上る。

 各市町が受け付けた罹災(りさい)証明書の交付申請は21日までに5206件。うち409件に対して交付した。県は非住家も含めて申請は2万件を超えるとみている。すでに約3千件の申請が寄せられている栃木市や、1400件に上る佐野市には他県の職員が駆け付けて申請業務を支える。那須烏山市や鹿沼市の断水は全地域で解消した。

 県は被害が大きかった下野市、上三川町、茂木町、市貝町、壬生町に対して災害救助法の適用を新たに決めた。避難所の設置などにかかった費用を国と県が負担する。真岡市、益子町、芳賀町、野木町を除く県内21市町で適用が決まった。

 鹿沼市は21日、台風19号による市の農作物被害が約1億9千万円に上り、イチゴだけで1億7千万円を占めると発表した。16日の県発表では被害額は4160万円だったが、その後の調査で膨らんだ。

 土砂崩れの恐れがあり休校が続いている粕尾小学校が23日から、約5キロ離れた粟野小の教室を借りて授業を再開する。思川の氾濫(はんらん)で土砂が流入した清洲第一小は18日から約4キロ離れた粟野中学校舎で授業を再開しているが、同小は変電設備が水没しており復旧の見通しは立っていないという。

 佐藤信市長は会見で「一刻も早い復興のため全力で取り組んでいく」と話した。

 この日、武田良太防災相が、被害がひどかった栃木市と佐野市を視察した。栃木市の避難所や佐野市の災害ごみ仮置き場として使われている栄公園野球場などを回り、福田富一知事や岡部正英佐野市長、大川秀子栃木市長から被害の報告を受けた。

 佐野市役所での意見交換会で、大川市長と岡部市長は河川復旧の早期着手や被災農業者への助成などを要請。福田知事も被災ごみ処理の支援などを求めた。

 武田防災相は会談後、報道陣に対し「自治体は財政面に不安を抱くことなく早期の復旧復興に励んで頂きたい。我々の方からニーズを拾い、支援の充実をはかりたい」と話した。

 一部区間で運転を見合わせていた東武鉄道は、24日の始発から特急を含む全線でダイヤ通りに運転を再開すると発表した。復旧するのは、日光線北鹿沼~下今市間と佐野線佐野~葛生間。線路を支える盛り土や橋脚の復旧の見込みがついたという。