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 日韓関係打開の切り札になれるか――。22日、韓国の李洛淵(イナギョン)首相が天皇陛下の「即位礼正殿の儀」に合わせて来日し、安倍晋三首相とも会談する予定です。そもそも大統領がいる韓国で、首相とはどんな立場なのでしょうか? その政治的発言力は? 韓国政治に詳しい奥薗(おくぞの)秀樹・静岡県立大准教授に聞きました。

 ――韓国の首相とはどんな仕事ですか。

 「首相」はあくまでマスコミ用語です。韓国語での正式な名前は国務総理です。

 ――なぜ首相と呼ばれるのですか。

 韓国の憲法には、「国務総理は大統領を補佐し、行政に関し大統領の命を受け行政各部を統轄(とうかつ)する」とあります。各部というのは日本の各省庁にあたります。各省庁を統轄する仕事は日本でいえば首相ですから、マスコミでもそのように呼ばれているのでしょう。

 ――各省庁を統轄しているということだから、韓国の首相は大統領に次ぐ政権ナンバー2といっていいわけですか。

 ところが、そうでもないんです。憲法上は首相はたしかにナンバー2なのですが、実質的にそう言えるかどうかは時の政権によって異なります。韓国では、外交・安全保障、経済など国の重要政策を決めるうえで、大統領が行使できる権限やその影響力が多岐にわたります。大統領の下で独自性を発揮できず、お飾りにすぎないとみられた首相もいれば、大統領にも物申す発言力をもち、まさにナンバー2として機能した首相もいました。

 ――大統領の権限が強いなかで、首相を置く意味はどこにあるのでしょうか。

 1987年の民主化まで、韓国では軍人出身の大統領による強権的な統治が続きました。その年の年末につくられた現憲法で、首相には、大統領による権力の濫用(らんよう)を防ぎ、その力を牽制(けんせい)する存在としての役割が期待されています。「国務総理は国会の同意を得て大統領が任命する」との規定があり、国会の承認を必要とすることで、制度的には、首相に強い権限が与えられているのです。大統領が好き勝手に首相を選べない仕組みです。

 ――いまの文在寅(ムンジェイン)政権で、李洛淵首相にはどの程度の発言力があるのでしょうか。

 韓国で日本の首相官邸にあたるのは大統領府ですが、建物の名前から青瓦台とよばれています。いまの文在寅政権は「青瓦台主導」と言われていて、大統領府に比べると李氏の影響力はさほど大きいと言えないでしょう。

 ――では、李氏の来日にどれほどの意味があるのでしょうか。

 李氏は韓国紙の東京特派員経験…

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