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 南米ボリビアのエボ・モラレス大統領(60)が10日、辞任に追い込まれた。10月の大統領選で「4選」をしたばかりだったが、選挙をめぐる不正への抗議デモが広がるなか、職にとどまることができなくなった。選挙の得票率も約47%にとどまり、6割以上を取っていた過去から大きく下がった。支持急落の背景には、憲法の規定に反してまで立候補するなど、独裁色を強めるモラレス氏への反発が、支持基盤の先住民に広がっていたことがある。

 「先住民族のアイマラ出身の彼は、私たち先住民の苦境をわかってくれていると信じていた。希望だった」

初の先住民出身の大統領

 標高3800メートルの高地にあるティティカカ湖畔の街、アチャカチの公務員ネルソン・キスペさん(34)は10月20日に行われた選挙を前に、モラレス氏をこう表現した。酪農を営む父母やきょうだいとともに、モラレス氏をずっと支持してきた。母のマリア・クティリさん(65)は「演説で『兄弟姉妹よ』と呼びかけられ、私たちのための大統領だと思えた」と語った。

 ボリビアは、先住民や先住民の血を引く人が国民の半数以上とされる。だが、政治や経済は長年にわたって、人口の1割ほどでしかない白人系が握り、先住民は進学や就職の機会が限られてきた。そんななか、2005年に初の先住民出身の大統領として当選したのがモラレス氏だった。就任すると、貧困層を手厚く支援する政策を展開し、妊婦や子どもへの補助金を創設したほか、高齢者へは支給額を増やした。暮らしの貧しい先住民たちは、モラレス氏に期待を寄せた。

広がる汚職疑惑

 だが、モラレス氏はいまや、先住民から「カラ・インディヘナ」と呼ばれる。「カラ」はアイマラ語で金持ち、「インディヘナ」はスペイン語で先住民の意味だ。キスペさんも「彼は変わってしまった」と悲しそうに話す。

 就任から13年を経て、政権幹…

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