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 大阪大の研究チームが、様々な細胞になるiPS細胞から作った心臓の筋肉細胞のシートを、心不全の患者に移植する臨床試験(治験)について、近く国の審査機関に申請する。学内の委員会が23日までに計画を承認した。これまで計画してきた治療の安全性を確認する「臨床研究」に加え、有効性を調べる「治験」も進めることで、早期の実用化につなげるねらいだ。

 阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)のチームは、心臓の血管が詰まって心筋がはたらかない、重い心不全の患者に、iPS細胞から作った心筋細胞のシートを移植する研究を進めている。

 昨年5月、細胞を移植しても腫瘍(しゅよう)ができないかなど、主に安全性を確かめる目的の臨床研究が国から承認された。昨年6月の大阪北部地震で学内の細胞培養施設が使えなくなり、当初の予定から遅れていた。今回は有効性も確かめる治験の計画で学内から承認された。

 治験は、薬や細胞製品を市場に出すために必要な手続きで、臨床研究よりも厳密な方法で安全性や有効性を調べる。京都大のチームがすでにパーキンソン病の患者にiPS細胞から作った神経の細胞を移植する治験を進めている。