【動画】海遊館のジンベエザメが引っ越し=森岡みづほ撮影
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 大阪市港区の「海遊館」が、オスのジンベエザメ「海(かい)」(推定8~9歳)を故郷の太平洋に放流した。背びれに小型の記録装置を付け、どこをどう泳ぐかなどの生態解明に役立てる。

 18日夜の閉館後、「海」を飼育してきた水槽で搬出作業があった。ダイバーが水槽に沈めたコンテナへ「海」を誘導。コンテナごと引き上げて船に乗せ、徳島県の蒲生田岬沖へ運んだ。翌19日午前9時ごろに放流した。

 海遊館は、1990年の開館当時からジンベエザメの飼育を手がけてきた。太平洋沖で定置網にかかったものを譲り受け、高知県にある海遊館の海洋生物研究所で飼育してから大阪の海遊館に運び込む。一方、育てたジンベエザメを故郷の太平洋に放流し、生態を調べてきた。

 2011年からは北海道大と共同研究を始めた。ジンベエザメを放流する際、記録装置を付けて位置や水深、水温などのデータを収集。過去8回の調査で、水深1500メートルまで潜ることや、フィリピンまで泳ぐことなどがわかってきた。

 今回、「海」の代わりに高知県から別のオスのジンベエザメ(推定4~5歳)も迎え入れた。

 海遊館の西田清徳館長は「ジンベエザメは個体数が少なくなっている。守るためにも、回遊経路や繁殖について明らかにする必要がある」と話す一方で、こう親心を見せた。「海遊館ではのんびり暮らしていた。太平洋では生存競争もあるので負けずにがんばってほしい」(森岡みづほ)