[PR]

 安倍晋三首相は23日、天皇陛下の「即位礼正殿の儀」に参列した中国の王岐山(ワンチーシャン)国家副主席と約20分間、会談した。両氏は来春の習近平(シーチンピン)国家主席の国賓訪日に向けて、協力を確認した。首相は相次ぐ日本人拘束事案などへの対応を求めたほか、混乱が続く香港情勢への憂慮も伝えた。

 両氏は、昨年の李克強(リーコーチアン)首相の訪日や安倍首相の訪中などの首脳往来が日中関係の発展につながっているとし、習氏訪日も「有意義なものとしたい」との認識で一致。経済など各分野での協力を強化することも確認した。ただ、中国が協力を求める巨大経済圏構想「一帯一路」に関連し、首相は財務の健全性などをうたった「質の高いインフラ投資に関するG20原則」のもとに行動すると述べ、条件付きの協力であることを改めて強調した。

 一方、首相は中国が福島第一原発事故後から続けている日本産食品の輸入規制や尖閣諸島など東シナ海の海洋安全保障に加え、相次ぐ日本人拘束についての対応を強く求めた。9月に北京を訪れた北海道大の40代の男性教授が拘束されたことが判明し、中国を研究する専門家らの間で不安が広がっている。

 デモが続き混乱する香港情勢についても、首相は「大変憂慮している」とし、対話による解決と「一国二制度」のもとで香港が繁栄することの重要性を指摘した。また、北朝鮮による拉致問題についても、王氏に解決への理解と支持を求めたという。

 王氏は今回の訪日で首相のほか、麻生太郎副総理兼財務相や自民党の二階俊博幹事長らとも会談。北海道も訪問し、農場などを視察する予定だ。(太田成美、冨名腰隆)