スパコンで1万年かかる計算、200秒で グーグル実証
勝田敏彦
米グーグルの研究チームが開発している量子コンピューターが、現在のスーパーコンピューターで1万年かかる計算を約200秒で終えたとする論文が23日付の英科学誌ネイチャーに載った。
量子コンピューターは理論上、従来型のコンピューターをはるかに超える速度で計算できると期待されているが、実際に上回る速度を実現したことで、実用化に向けて大きな節目になりそうだ。
論文によると、チームは量子力学的な効果を使う特別なチップを使い、スパコンの15億倍にあたる計算速度を出したという。ネイチャー誌はライト兄弟による動力飛行機の初飛行になぞらえ「量子コンピューティングが離陸する」とする解説記事も同時に掲載した。
ただ、今回は特定の計算のみの結果で、実用化までにはなお多くの山がありそうだ。また、開発を競っている米IBMはブログで「それほど高速化していないはずだ」と反論した。(勝田敏彦)
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