T―岡田、減額制限いっぱいで残留の訳「変わらないと」

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大坂尚子
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 大減俸で残留だ。プロ野球オリックスT―岡田が24日、契約更改交渉に臨み、海外フリーエージェント権を行使せず、新たに3年契約を結んだ。推定年俸は野球協約の減額制限(1億円超は40%)いっぱいとなる6千万円減の9千万円プラス出来高でサイン。かつての本塁打王も「変わらないといけないと強く感じた1年だった」と危機感は強い。

 今季は腰の故障にも悩まされ、出場20試合にとどまり打率1割2分、1本塁打2打点。出番は激減し、シーズン終盤には他球団への移籍も視野に入れていると報じられた。

 残留か、移籍か――。9月下旬、2軍の練習試合でT―岡田を直撃すると、揺れる思いを明かしてくれた。「残ることが1番だけど、自分のこれからの野球人生も考えないといけない」「若いやつも出てきたし、その中で結果を残さないと」。慎重に言葉を選んでいたが、どちらかというと退団、移籍に傾いているのではと感じた。

 そんな31歳に残留を決意させたのは、ファンの存在だ。シーズン最終戦となった9月29日の京セラドーム大阪でのソフトバンク戦。ベテラン右腕・岸田護の引退試合だったこともあり、大阪・履正社高の後輩でもあるT―岡田も急きょ2軍から呼ばれた。

 七回無死満塁の絶好機に代打で登場するとファンがタオルを振り回して大声援で歓迎した。空振り三振に終わっても、温かい拍手で復帰を喜んでくれた。「あんな声援をいただけると思っていなくて本当にびっくりしたし、心動かされるものがあった」

 そして10月8日。自身のSNSでファンに思いを伝えた。

 「岸田さんの引退試合で打席に立った時にいただいた拍手と声援はこの先一生忘れません。(中略)この声援に結果という形で応えていくことが恩返しであり、自分が一番やりたいことなんだと気付かせてもらいました」

 2010年に22歳で本塁打…

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