弁護士がブログで伊藤詩織さん侮辱 懲戒審査求める議決

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 望まない性行為で精神的苦痛を受けたとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の男性に損害賠償を求めた訴訟をめぐり、男性側の代理人を務める男性弁護士が自身のブログで伊藤さんを侮辱したとして、男性弁護士が所属する愛知県弁護士会が懲戒の審査を求める議決をしたことがわかった。

 同会は、「会の秩序、信用を害した可能性がある」と判断し、今年9月に議決した。議決を受けて、同会の懲戒委員会が今月初めに審査を始めた。

 伊藤さんは2015年に就職相談のため、元記者と飲食。意識を失い望まない性行為を強要されたとして警察に告訴。準強姦(ごうかん)容疑で捜査されたが嫌疑不十分で不起訴処分になった。検察審査会に不服を申し立てたが、不起訴相当の議決が出た。伊藤さんは東京地裁に元記者を提訴。元記者は反論し、損害賠償を求めて伊藤さんを反訴した。

 男性弁護士は、自身のブログに、伊藤さんの訴えについて「虚偽・虚構・妄想」などと記載。弁護士会によると、法曹三者や学識経験者でつくる県弁護士会綱紀委員会が今年に入り、弁護士のブログの内容などを審査し、「懲戒の審査が相当」と議決したという。

 男性弁護士は、「弁護士会の議決は著しく不当と考えているが、まだ審議中の事案で詳細なコメントは差し控える」とのコメントを出した。伊藤さん側の弁護士も「コメントを差し控える」としている。

 弁護士の懲戒請求は誰でもできる。各弁護士会の綱紀委員会が調べ、懲戒の可能性があると判断すれば、懲戒委員会に審査を請求し、懲戒委が処分内容などを決める。

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