拡大する写真・図版 掃除は、バケツの水を勢いよくかけて。再開当初は、受付も掃除も50分おきのまき入れも、たった一人で頑張った=2019年10月4日午前10時53分、京都市下京区岩滝町、佐藤慈子撮影

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 長期低迷傾向にある銭湯業界を、若者の力で盛り返そうと奮闘を続ける銭湯活動家の湊三次郎さん(29)。新しい仲間を得てさらに広がる活動の最前線を取材しました。

週末の利用者10倍に

 あなたの街にはまだ、銭湯が残っているだろうか。

 かつて全国に2万近く存在した銭湯は、家庭風呂の普及と共に減り続け、今や3700軒余り。この10年でほぼ半減と、減少速度は増している。

 そんな流れに「待った」をかけるべく、京都の街で立ち上がった。廃業寸前の銭湯を再生し、さらに「一軒でも多くの銭湯を残そう」と、トップギアで疾走中だ。

 4年前の春、勤めていた会社を辞め、京都市の銭湯「サウナの梅湯」を引き継いだ。経費節減や営業時間の延長といった地道な努力に加え、同世代のクリエーターたちとタッグを組んだ銭湯イベント「Get湯!」のような営業手法も交え、V字回復に成功。以前は1日60人前後だった「梅湯」の平均利用者数はいま4倍以上、朝風呂営業のある週末には520人超と10倍近くに達した。昨秋からはさらに3軒を引き継ぎ、仲間と共に再建中だ。

 故郷の浜松市から京都の大学に進んだ当初は、ファッションと哲学が好きな青年だった。スイスの哲学者が書き残した人生哲学の書を心の友に、真に夢中になれるものを探す日々。同世代が群がるはやりモノではなく「もっとしっくりくる何か」を探した先に「銭湯」にたどりついた。

 決定的な出会いは9年前の夏。…

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