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 運用が終わった理化学研究所のスーパーコンピューター「京(けい)」も、開発中の後継機「富岳」も「汎用(はんよう)性」が特徴だ。こうした国のスパコンに対して、民間では人工知能(AI)ビジネスに特化したスパコン開発の潮流が生まれている。

広く社会のために

 日本で国のスパコン開発プロジェクトが始まったのは1980年代。初代の文部省(当時)航空宇宙技術研究所の「数値風洞」と、その後継機で2002年に完成した「地球シミュレータ」はいずれも、航空機開発、地球温暖化予測というシミュレーション計算に特化されていた。これに対して「京」は、さまざまな用途を持つ初の「汎用スパコン」として、大学や企業が幅広く活用した。

 21年度に供用を始める予定の「富岳」も汎用機だ。気象計算や地震・津波の被害予測、創薬などの医療、宇宙の進化といった基礎科学など九つの利用課題が設定されたほか、人工知能の研究にも適した設計になっている。名前を富士山になぞらえたのは、山頂(計算性能)を高くしつつ、すそ野(用途やユーザー)を広げるという意味が込められている。

 開発リーダーである理研計算科学研究センター(神戸市)の松岡聡センター長によると、富岳では日本の半導体産業の復興という目標も掲げる。富岳は日本で設計した英ARM社ベースのCPU(中央演算素子)を使う。一つ一つの製造コストは抑えつつ、大量につなげることで速度を出す。富岳では京の倍の15万個のCPUを使う。量産化が可能で、CPU単体で売ることもできる。企業にとってこのCPUを使ったビジネス展開がしやすいという。

 ソフトにも特徴がある。京はハードとソフトが独自の環境で、多くのソフトを動かすのが難しかった。この反省から、松岡さんは、「ARMと互換性のあるCPUでは頂点の性能を持ち、かつ多くのソフトが動いてユーザーのエコシステムを作れるスパコンをめざす」と話す。必要なら市販ソフトの「ワード」も動くという。米IBMやインテルなどに対抗できる「陣営」作りが目標という。

AIビジネスでも活用

 民間でもスパコンの導入が進んでいる。新たな潮流は人工知能ビジネスへの活用だ。

 ベンチャー企業「プリファード…

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