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 相模原市緑区牧野(まぎの)の日帰り温浴施設「藤野やまなみ温泉」は、台風19号による被災者や災害ボランティアに風呂を無料開放している。25日も近くの避難所で過ごす人が顔を見せ、塩味のする天然温泉で避難生活の疲れを癒やした。

 施設は1997年、旧藤野町が営業を開始。相模原市と合併した2007年からは、住民が設立した会社が中心となって運営している。湯はアルカリ性で、源泉100%なのが売りだ。

 施設は台風19号が上陸した12日は休業したが、13日に早くも営業を再開。14日から被災者のために無料入浴サービスを始め、20日からは災害ボランティアにも対象を広げた。最も多かった15日は55人が無料で入浴し、その後も1日約30人がサービスを利用している。

 25日も、近くの避難所の藤野農村環境改善センターなどから被災者が訪れた。センターに14日から身を寄せている70代の男性は「毎日お風呂に入れて感謝しています」。夜は段ボールでできた簡易ベッドで寝ているが、70代の妻は「疲れてあちこち痛い。早く家に帰りたい」と話した。

 藤野やまなみ温泉の名久井孝昭支配人(55)は「まだ行方のわからない人や、長期避難の人がいる。地域の人ができるだけ早く日常生活を取り戻し、気が休まるようになってほしい」と気遣う。

 緑区内は土砂崩れが多発し、交通網が寸断されている。施設の客足は、平時の半分~8割ほどの日が続いているという。(茂木克信)