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 日本弁護士連合会(会員約4万人)は25日、死刑廃止と終身刑の導入を同時に求めていく基本方針を決めた。今後、国会や政府に死刑廃止法案の成立を働きかけていく。現行の無期懲役刑は仮釈放の可能性があるが、終身刑にはない。被告の人権を守る弁護士会として重い刑罰の創設を求めることには強い反対もあったが、死刑廃止の実現に近道と判断した。

 基本方針は、各地の弁護士会長らで構成する理事会が15日に議決し、25日に執行部も承認した。2016年に宣言した「20年までの死刑廃止」のための道筋を具体的に示したもので、刑法から死刑を定めた条文を削る代わりに終身刑を導入するとした。

 会員の間には死刑廃止に消極的な意見もあり、日弁連は16年の宣言後、多くの会員が合意できる案を検討。無期懲役刑で仮釈放できるまでの期間を、現行の10年から20年や25年に引き上げる案も検討されたが、「世論の支持は得られない」との意見が強かった。最終的に一生刑務所から出られない終身刑を設けた上で死刑廃止を求めていく方針でまとまった。

 内閣府が15年に公表した世論調査では、死刑制度について「やむを得ない」という答えが8割を占めたが、終身刑の導入を前提にすると「廃止したほうがよい」が約38%にのぼった。

 日弁連死刑廃止実現本部の小川原優之(ゆうじ)・事務局長は「終身刑を受け入れる基本方針は死刑廃止に道筋をつける大きな一歩だ」と話す。(阿部峻介)