【動画】横須賀市福祉部福祉専門官の北見万幸さんは、忘れられない一通の遺書をいまも机の中にしまっている=遠藤啓生撮影
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 40万人近くが暮らす神奈川県横須賀市。米軍基地が広がり、東京や横浜のベッドタウンとなっている。ここで孤独死や高齢者の孤立対策に取り組む横須賀市福祉部福祉専門官の北見万幸(かずゆき)さん(61)は、忘れられない一通の遺書をいまも机の中にそっとしまっている。

 横須賀市郊外にある無縁納骨堂。壁一面に多くの遺骨が並ぶ。いずれも引き取り手はいない。

 「生前の希望が一人一人、必ずあったと思う。なのに、それをかなえることができず、ここに納められてしまった……」。記者を案内しながら、北見さんがつぶやく。こうした、身元が判明しているのに引き取り手のない遺骨は全国的に急増しているとされ、横須賀市では1993年ごろから増え始め、2003年ごろから急増したという。

 遺体発見後、引き取り手が見つからない場合、横須賀市ではいったん公費で火葬にしたあと、市役所内の仮安置所に1年ほど遺骨を保管。その間に住民票などを手がかりに親族の連絡先を探し、引き取りを依頼する。だが実際に引き取る遺族は少ないのが実情で、最後にはこの無縁納骨堂に納められるという。

いくつも「縁」の字

 定年後も再任用された北見さんが、この問題にこだわり続けているのはなぜか。話は、15年8月にさかのぼる。

 厚紙の裏の白地に鉛筆で書かれた文字。いくつも「縁」という文字が書き連ねられている。これは横須賀市の築60年以上のアパートで独り亡くなった70代の男性が書き残した遺書。文面は、こうあった。

 「私し死亡の時 15万円しかありません 火葬と無縁仏にしてもらえませんか 私を引き取る人がいません」

 男性の遺体が見つかって約7カ…

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