[PR]

【科学力】

 今年のノーベル化学賞に決まった旭化成の吉野彰名誉フェローによるリチウムイオン電池の研究は、「ポリアセチレン」という物質との出合いがきっかけで始まった。電気を通すプラスチックという、それまでの化学の常識を覆す新物質で、2000年のノーベル化学賞を受賞した白川英樹・筑波大名誉教授が発見したものだ。

 研究の過程でポリアセチレンの応用は見送られ、代わりに炭素材料を使うことでリチウムイオン電池の実用化にこぎつけたが、吉野さんの成果は大学と産業界の基礎研究の連携が生んだ成果と言っても過言ではない。研究に着手した当時の状況から受賞決定に対する思い、大学の基礎研究への懸念などを聞いた。

福井さんが予言し、白川さんが発見した物質

 ――リチウムイオン電池の研究に着手するきっかけになったポリアセチレンとの出合いについて教えてください。

 1981年のことです。のちにノーベル化学賞を取ることになる筑波大の白川英樹先生たちによってポリアセチレンが発見されたばかりのころです。私の母校である京都大の福井謙一先生がノーベル化学賞を取った年でもあります。

 私は福井先生の孫弟子に当たるんですが、福井先生の受賞業績である「フロンティア軌道理論」がまさに予言した現物、それがポリアセチレンでした。プラスチックなのに電気が流れるというので、私も京大を訪問して見せてもらったんです。空気中では不安定な物質なので試験管に封じてありました。その中にあったのはもう、アルミ箔(はく)みたいなもんです。銀ピカ。外観が。これがプラスチックかと驚きましたね。

 ――福井さんが予言し、白川さんが実現したポリアセチレンへの興味が発端だったと。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら