拡大する写真・図版 ホワイトハウスで記者団からの質問に答えるトランプ大統領=2019年10月25日、ワシントン、ランハム裕子撮影

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 トランプ米大統領が米軍のシリア撤退を発表して1カ月。トランプ氏は「兵士を故郷に帰す」というキャッチフレーズを使い始めた。イラク戦争やアフガン戦争など長年の戦争に疲弊した国民の感情に訴えるものだ。しかし、友軍的存在だったクルド人武装勢力を米軍が事実上見捨てたことで、同盟国には衝撃が広がる。(ワシントン=園田耕司)

 「我々はシリアにとどまりたくない。私は米国の兵士を故郷に帰したい」。トランプ氏は10月27日、過激派組織「イスラム国」(IS)の最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者を米軍の作戦で殺害したことを発表する記者会見でこう述べ、シリア撤退の正当性を改めて主張した。

 しかし、米軍のシリア撤退は、戦略的な同盟関係にあるクルド人勢力に対するトルコの攻撃を事実上黙認することになる。クルド人勢力はイスラム国掃討作戦で米軍と共闘し、危険な地上作戦を担った。クルド人勢力の当局者は米メディアに「米国は裏切り者だ。彼らは我々を見捨てた」と憤った。トランプ氏はクルド人に対して数百キロ離れた油田地帯への移住を呼びかけているが、実現のめどはたっていない。

 ワシントン政界では「クルド人を見捨てたことで『米国は信用できない同盟相手だ』という最も危険なシグナルを送ったことになる」(共和党重鎮のグラム上院議員)と厳しい批判が出ている。しかし、トランプ氏は「米国は(シリアから)7千マイル離れている」「(クルド人勢力は)第2次世界大戦やノルマンディー上陸作戦で我々を助けなかった」などと反論し、批判を意に介する様子はない。

■米国、広がる厭…

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