【動画】千葉の大雨、死者9人に 冠水いまだ続く=熊倉隆広撮影
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 台風21号に伴う記録的な大雨による死者は26日、千葉県と福島県で計10人となった。福島県で1人が行方不明となっている。河川の氾濫(はんらん)は千葉など5県で27河川、土砂災害は千葉を中心に4県16カ所で確認された。千葉県佐倉市や茂原市では、冠水した道路などの排水作業が続いた。

 千葉県や県警、消防などによると、長柄町鴇谷(とうや)では氾濫した一宮川に軽乗用車が流され、車内から男性(54)が意識不明で見つかり、死亡が確認された。長南町岩川でも路上に残された車の中から男性(91)が死亡した状態で発見された。

 土砂崩れも相次いだ。市原市郡本3丁目では自宅の裏山が崩れ、女性(57)が土砂に巻き込まれて死亡。千葉市緑区では住宅計3棟を巻き込む土砂崩れが発生し、住人の60代の男性と女性、40代の女性が亡くなった。

 大雨による冠水も広がった。県によると、佐倉市では鹿島川などの氾濫で住宅街が水につかった。茂原市でも川が氾濫し、JR茂原駅周辺など市街地が冠水。ポンプ車を派遣して下水処理施設の排水を進めた。

 同県によると、千葉市や八街(やちまた)市などで計178戸が床上・床下浸水し、鴨川市では約4700戸が断水した。同日午後4時時点で、208人が避難所に身を寄せている。

 道路の冠水や交通網の寸断で帰れなくなる児童や生徒が相次ぎ、26日午前6時時点で、31校の833人が校内などに残った。県立長生高校では133人、土気高校では80人、千葉南高校で83人が一夜を明かした。

 福島県では、避難指示が出た相馬市で女性(61)が亡くなり、男性1人が行方不明。いわき市では住宅が土砂に巻き込まれ、2人が軽傷を負った。

 死亡が確認されたのは、相馬市のホテル従業員、花澤三保子さん。相馬地方広域消防本部によると、相馬市原釜の笠岩公園の砂浜で26日午前7時半ごろ、遺体でみつかった。運転していた車も市内で発見されたが、同乗していたとみられる30代の息子と連絡が取れなくなっている。

 気象庁によると、6時間雨量は養老川が氾濫した千葉県市原市で25日昼すぎまでに219・5ミリを記録。福島県相馬市では深夜までで195・5ミリと、いずれも平年の10月の1カ月分の雨量を上回り、観測史上最多を更新した。千葉県佐倉市や鴨川市、茨城県鉾田市、福島県いわき市などでも半日の雨量が200~250ミリ近くになり、平年の1カ月分を超えた。

 今回の大雨は、台風21号や紀伊半島付近にあった低気圧の影響などで、房総半島の上空に次々と雨雲が発生。南北に広がった前線が長時間、房総半島を覆った。

 気象庁は大雨前日の24日、台風19号の上陸以降では最多の雨量になるとして、関東や東北で厳重な警戒が必要になると呼びかけた。ただ、予測した26日までの総雨量は200~300ミリの栃木県が最多。千葉と茨城、福島の3県は100~200ミリと想定していたが、実際は各地でこれを上回った。

 今回のような雨雲の急増は予測が難しい面もあり、気象庁の担当者は「低気圧の関東沿岸への北上が遅く、複数の気象要件が房総半島の上空でそろってしまった」と話した。

 武田良太防災担当相と今井絵理子内閣府政務官は26日、台風21号に伴う大雨で被害を受けた千葉県茂原市の一宮川の氾濫現場を視察した。視察後、記者団に「今回の度重なる災害については、激甚災害指定に取り組む方向で検討を進めたい」と述べた。

 同市役所で田中豊彦市長から被害状況の説明を聞いたあと、同市役所屋上から冠水した地域を視察。その後、住宅などが冠水した同市緑町と同市法目を訪れ、被災者から話を聞いた。