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 累計発行部数1500万部以上。商業的に最も成功した日本の小説と言われる田中芳樹作「銀河英雄伝説」は本編完結から30年以上を経た現在も再アニメ化、漫画化、舞台化が進行中だ。「民主主義の教科書」とも評される作品の魅力とは。

 「巻(かん)を措(お)く能(あた)わず」という言葉がある。あまりにおもしろく読むのがやめられない、という意味だが、翻訳家・評論家の大森望さん(58)は「銀河英雄伝説」(通称・銀英伝)でその至福を味わった。1980年代の終わり、最初の5冊を1日で読了し、残りの巻を求めて自宅周辺の本屋を自転車でしらみつぶしに回った。「小説でそんなことをしたのは、後にも先にもこの時だけ」と振り返る。

 「銀河宇宙で英雄たちが活躍した時代を振り返る『架空歴史小説』の形を取っているが、先が読めない歴史の激動期をリアルタイムで目撃するような興奮を味わった」(大森さん)

 150年以上にわたり宇宙を舞台に戦争を繰り返し、疲弊し退廃した銀河帝国と自由惑星同盟の両陣営に、ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーという2人の傑出した軍事指導者が登場することで、膠着(こうちゃく)していた歴史の流れは突然加速し、怒濤(どとう)となって人々を巻き込んでゆく――。

 登場人物は650人以上。多田俊介監督による再アニメ化と共に進行中の舞台版を演出する大岩美智子さん(41)は「脇役一人ひとりにまで魂が感じられ、人間として理解・共感できるのが大きな魅力」と話す。創元SF文庫から本編全10巻、外伝5巻が刊行中で、東アジアを中心に海外での人気も高い。中国では実写映画化が進行中だ。

 作者の田中芳樹さん(67)は…

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