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 元慰安婦の証言を伝える記事を「捏造(ねつぞう)」と断定されて名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者の植村隆氏が、西岡力・麗沢大客員教授と「週刊文春」を出版する文芸春秋に計2750万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が29日、東京高裁(白石史子裁判長)であった。

 6月の東京地裁判決は「植村氏は、金氏がキーセンに身売りされたとの経歴を認識しながら、あえて記事に記載しなかった」とする西岡氏の主張について「真実と信じた相当の理由がある」と認定した。

 このため植村氏は新たに、1991年11月に元韓国人慰安婦の金学順(キムハクスン)氏への聞き取り調査に立ち会った際の録音テープの音声データを提出。金氏がその際「キーセン」に言及していないと指摘し「取材相手が話さないことを記事に書かないのは当然。記事は捏造ではない」と主張した。西岡氏は「テープで触れていなくても、植村氏は金氏がキーセン学校に通ったと知っており、記事で触れるべきだった」と反論。控訴棄却を求めた。

 植村氏がジャーナリスト櫻井よしこ氏と別の出版3社を相手に起こした訴訟では札幌地裁が昨年11月に請求を棄却し植村氏が控訴。控訴審は今月10日に結審し、判決は来年2月6日に札幌高裁で言い渡される。(編集委員・北野隆一