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 英国の議会下院(定数650)は28日夜(日本時間29日早朝)、ジョンソン政権が欧州連合(EU)からの離脱を実現するためとして出した解散総選挙を求める動議を否決した。同様の動議が否決されるのは今年9月以来、3度目。否決後、ジョンソン首相は総選挙実施を12月12日とする別の法案を出し、引き続き総選挙実施をめざす姿勢だ。

 英国を除くEU加盟27カ国は28日、EU離脱の期限を31日から来年1月末まで延期すると決めた。今回の動議はこれを受けてジョンソン政権が出したもので、12月12日の総選挙実施が念頭にあった。ジョンソン氏は総選挙で与党・保守党が過半数を回復し、離脱協定案の議会承認を得られるようにするのが目的で、「終わりのない延期を続けることはできない」と訴えた。

 だが、採決で賛成にまわったのは299人。議会任期固定法で動議の可決には下院の3分の2にあたる434人の賛成が必要だが、それを大きく下回った。

 ジョンソン氏は否決直後、12月12日を総選挙実施日と定める別の法案を出し、29日に採決にかける方針を表明した。この法案は今回限りのもので、議会任期固定法に縛られず、過半数の賛成で可決できる。

 また、少数野党の自由民主党とスコットランド民族党はこの日の議会で、12月9日に総選挙を実施する案を示した。今後、両党と政権の間で、総選挙実施に向けて何らかの妥協が成立する可能性もある。(ロンドン=小暮哲夫)