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 赤ちゃんを抱きたい……。そう願っていた男性はアスベスト(石綿)が主な原因で発症するがん「中皮腫」を長年患い、赤ちゃんが生まれる前に亡くなった。男性は栗田英司さん(享年52)。赤ちゃんとその母親は、栗田さんにとって特別な存在だった。

 この秋、静岡県に住む栗田さんの姉妹が、代わりに赤ちゃんを抱きに九州を訪れた。姉で看護師の見城敬子さん(58)=静岡市清水区=と妹(48)=伊東市=が10月27日、九州に住む中皮腫患者の30代女性宅を訪れた。6月に亡くなった栗田さんは赤ちゃんを抱きたがっていたが、かなわなかった。見城さんは赤ちゃんを抱きかかえるとハンカチで涙をぬぐった。「抱っこさせてあげたかった」

 栗田さんは2017年に患者仲間らと結成した「中皮腫サポートキャラバン隊」の共同代表だった。全国をまわり、約100人の患者を励ましてきた。

 中皮腫は発症後の余命が短いとされ、栗田さんも1999年のクリスマスイブに「余命1年」と診断された。33歳だった。仕事を辞め、結婚を考えていた相手がいたが、家庭を持つのをあきらめた。石綿の健康被害の救済を求めて患者会で活動をしたこともあったが、次第に遠ざかった。「自分だけ長生きしているのが居心地悪くて」と生前に語っていた。

 転機は15年。患者会を通じ、…

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