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 世界の野生動物貿易では、哺乳類など陸生の脊椎(せきつい)動物の約18%にあたる5579種が取引され、現在は取引がない種も将来取引される可能性が大きい。そんな研究結果を、米英の研究チームが米科学誌サイエンスに発表した。国際取引の対象種が増えるなかで絶滅の危機にさらされる種もあり、チームは対策が必要だと強調している。

 チームは野生動物の国際取引を規制するワシントン条約や国際自然保護連合の資料をもとに、3万1500種以上の既知の陸で生きる脊椎動物を調べた。鳥類2345種(既知の種の23%)、哺乳類1441種(同27%)、爬虫(はちゅう)類1184種(同12%)、両生類609種(同9%)が売買の対象となっていた。

 爬虫類と両生類はペットにする目的での取引が多く、哺乳類は角や牙、内臓などを工業製品や医薬品の原料とする目的の取引が目立った。鳥類は両方の目的のケースがあった。特に南米の鳥類や両生類、アフリカや東南アジアの哺乳類、オーストラリアやマダガスカルの爬虫類などが数多く取引対象になっていた。

 社会的な流行などが、特定の種に影響を与えるケースもある。東アジアでは哺乳類のセンザンコウのうろこや肉が薬品や食材として需要が高まり、ここ20年余りでマライセンザンコウが急減した。小説や映画で「ハリー・ポッター」シリーズが人気を博した時期には、フクロウ類の取引が急増した。

 こうした傾向をもとにチームは、カラフルな羽毛やうろこを持つ種、すでに売買されている種の近縁種などは、将来的に取引対象となりうると予測している。

 論文はこちら(https://science.sciencemag.org/cgi/doi/10.1126/science.aav5327別ウインドウで開きます)のサイトで読むことができる。(米山正寛)