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 政府は29日、台風19号の被害を、大規模災害復興法に基づく「非常災害」に指定する政令を閣議決定した。被災者支援などで忙しく、人材が足りない自治体が管理する道路などの災害復旧計画の作成や、工事の発注を国や都道府県が代行できるようにする。指定は2016年の熊本地震に次いで2例目で、台風では初めて。

 代行の対象となる道路は、千曲(ちくま)川の増水で橋が崩落した長野県東御(とうみ)市の市道のほか、宮城県丸森町や福島県いわき市の国道など計6カ所。

 また、台風19号による10月11~14日の被害を、「激甚災害」に指定する政令も同日、閣議決定した。道路など自治体の復旧事業の費用について、国庫補助率を引き上げる。

 非常災害は被災地の早期復旧をめざし、人的な面で支援を行うための法制度。激甚指定は、財政的な支援を柱とする。「特定非常災害」にもすでに指定され、被災者の権利や利益を守るため、運転免許証の有効期限延長や債務超過となった法人への破産手続き留保などが認められている。

 また、安倍晋三首相は29日、台風19号の被害に対する自民党の要望を受け、「できることはすべてやる方針のもとに全力で対策にあたっているところだ」と述べた。被災者の生活や生業の再建に向けた政策パッケージを、来週中にも取りまとめる考えを示した。

 朝日新聞の集計では、台風19号の大雨により13都県で計88人が死亡し、ほかに7人が行方不明になっている。国土交通省のまとめによると、宮城や福島など7県の71河川140カ所で堤防が決壊した。土砂災害は宮城、岩手、神奈川など20都県の計690カ所で確認されている。災害救助法に基づく家屋の一部損壊に対する補助についても、今年8月28日以降の災害が対象となるよう改正されている。

 一方、千葉県や福島県で11人の死者が出ている台風21号に伴う記録的な大雨について、武田良太防災相は29日の記者会見で「激甚災害の対象となる。取り扱いについて検討していきたい」と話した。

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 〈非常災害と激甚災害〉 非常災害は東日本大震災を受け、2013年に施行された大規模災害復興法に基づく制度で、被災自治体の人手不足を補い、早期復旧を実現するのが目的。激甚災害は、地方財政への支援や被災者への助成が必要と判断された災害が指定される。広範囲におよぶ場合は地域を選ばずに指定し、局地的な場合は被災した市町村単位で指定する。