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 大規模な反政府デモが続く中東レバノンで、ハリリ首相が29日、事態の収拾を図るために辞任する意向を表明した。高い失業率などに苦しむ市民の不満により拡大したデモは、首相の退陣にまで発展した。

 レバノンでは今月17日にスマートフォンのアプリを使った無料通話への課税を政府が提案したことをきっかけに、ここ数年で最大規模の反政府デモが2週間近く続いていた。ハリリ氏は会見で、「事態の打開を探ってきたが、手詰まりになった。この危機を乗り越えるにはショックが必要だ」と述べ、大統領に辞任を申し出ることを表明した。

 デモのきっかけは、スマホの対話型アプリ「ワッツアップ」などの無料音声通話で、1日0・2ドル(約22円)を徴収する課税を政府が提案したことだ。宗派を超えた抗議運動となり、全閣僚の辞職などを求める反政府デモに発展した。

 レバノンには18の宗教・宗派があり、国会議席などを分け合って政治的安定を保っている。権力を握る政治エリートに腐敗が指摘される一方、一般の市民に負担を強いる課税案が出されたことで、若者を中心に不満が爆発したかたちだ。(エルサレム=高野遼)