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 英国の議会下院(定数650)は29日夜(日本時間30日朝)、12月12日に総選挙を実施する法案を可決した。欧州連合(EU)からの離脱の実現を求めるジョンソン政権が28日に出した解散総選挙を求める動議を否決したばかりだったが、総選挙に反対してきた最大野党の労働党が実施法案に一転、賛成に回った。

 実施法案は賛成438、反対20で可決された。ジョンソン首相が率いる与党・保守党は総選挙で過半数を回復して、EU離脱の協定案が議会で認められる状況を作り出すことを狙う。

 英議会は28日、政権が出した解散動議を賛成299で否決していた。議会任期固定法では、解散動議には下院の3分の2以上の賛成がないと、5年の任期途中での解散はできない。「3分の2」の賛成は難しいと判断した政権は29日、「総選挙を12月12日に実施する」とする新たな法案を提出した。今回に限って投票議員の過半数の賛成で可決できる異例の内容だった。

 これに対し、「合意なき離脱」の可能性がなくなるまで総選挙に同意しないとしてきた労働党が総選挙を認める方針に転換した。コービン党首は、EUが10月末の離脱期限を来年1月末までに延期したことを29日に正式に確認し、合意なき離脱が回避されたと判断したことを理由に挙げた。(ロンドン=小暮哲夫)