【動画】決壊した千曲川で仮堤防が完成=吉山健一郎撮影
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 台風19号の大雨により堤防が決壊した長野市の千曲川(ちくまがわ)について、国土交通省北陸地方整備局は30日午前、鋼板を打ち込んで強化した仮堤防が完成した、と発表した。これを受けて、市は周辺地域に出していた避難指示を解除した。

 決壊場所では、盛り土をした高さ5・5メートルの仮堤防が17日に造成されたが、さらにそれを囲む形で、川側に長さ約320メートルにわたって鋼板で強度を増した別の仮堤防をつくった。今後、本堤防の工事に取りかかる。

 堤防が決壊したのは、長野市穂保(ほやす)の千曲川左岸。今月12日の台風上陸後、13日未明から堤防が崩れ始め、朝までに約70メートルが決壊した。これらにより、長野市内では5千世帯を超える住宅が浸水した。

 また同市では30日、浸水被害で自宅に住めなくなった被災者に市が民間賃貸住宅を借り上げて提供する、「みなし仮設住宅」の入居申し込みが始まった。

 市内では、いまだ722人(29日時点)が避難所で生活している。市は木造やプレハブの仮設住宅100戸の建設にも着手しており、11月中の避難所生活の解消を目指す。

 決壊した堤防に近い同市豊野支所では、相談窓口が開く午前9時の30分以上前から入居を希望する被災者が続々と訪れた。自宅1階が浸水し、親戚の家に身を寄せる男性(71)は「2階にはトイレがなくて住めない。修繕にも時間がかかる。親戚とはいえ、いつまでも迷惑はかけられないので、朝一番に相談に来た」と話していた。

 みなし仮設住宅は、住んでいた住宅が全壊したり、半壊や大規模半壊でも土砂が流れ込むなどして住めなくなったりした被災者が対象。2人以下の世帯は6万円、3~4人の世帯は7万円など上限はあるが、それ以下なら物件は自身で探すこともできる。市が家賃と共益費を負担し、最大で2年間住むことができる。(大塚晶、渋谷雄介)