「今、生きてるって実感」 訪問介護を始めたALS患者
野田佑介
体の筋肉が動きにくくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」患者の村下秀則さん(32)=富山市=が、重度の障害がある人らを対象とした訪問介護事業所を立ち上げた。同じ病気の患者が「自薦ヘルパー」を活用して暮らす姿に刺激を受け、病気や障害がある人も当たり前に出かけたいところへ出かけ、やりたいことができる社会に向けて動き始めた。
溶接工として働いていた村下さんは、3年ほど前のある日、道具をもつ右手が上がらなくなった。診察してもらった医者に「使いすぎですね」と言われたが、2カ月経ってもよくならない。次第に左手も動かなくなった。2017年8月、ALSと診断された。
仕事はできなくなり、決まっていた結婚は破談。趣味だった車の運転もできない。「人生終わった」と思った。
数カ月、自室にひきこもった…