東電と対照的だった原電の姿勢「できる対策から迅速に」

有料記事見送られた津波対策

奥山俊宏
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第3回

 日本原子力発電の本社内に「津波タスク」と呼ばれる会議体が発足したのは2007年秋だった。

 茨城県東海村で日本初の商用原発を建設し、太平洋岸に東海第二原発、日本海側に敦賀原発を所有する原発運営の専門会社で通称は「原電」。日本の原発のパイオニアだが、社員は1200人ほどで、東京電力関西電力に比べると、数十分の1にとどまる。かつては電力各社からの出向者の寄り合い所帯で、今も社長は東電出身だ。

 原発の地震評価や新規建設を担う開発計画室と、原発の日々の運営・改良工事を担う発電管理室の垣根を取りはらって、土木の設計や計画、建築、プラント管理、技術・安全などのグループから管理職や担当者が一堂に会し、津波対策の課題や提案を出し合って議論し、その方向性を見いだし、経営陣に提言していくための、部門横断のチーム。それが「津波タスク」だった。もともとあった「耐震タスク」の下に設けられた。

 担当者や各グループには「放…

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