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 「(家族の「同席拒否」と)そのような形で書いてください、とお願いしました」

 東京都内で保険代理店を営む坂部篤志さん(55)のスマートフォンには、そんな音声データが残る。声の主は、かんぽ生命保険の営業を担う地元の郵便局員だ。

 一昨年夏、一人暮らしの母親(78)に「保険契約内容を確認したい」との電話が郵便局からかかってきた。

 ほどなく局員2人が自宅を訪れ、狭い玄関先で約2時間、「相続争いが起きるかも」「財産に名前をつけるといい」などと説明した。母親は「満期が近い養老保険の保険金受取人を息子2人に変える手続きだろう」と理解し、早く帰ってほしい気持ちも働き、複数の書類にサインした。

 だが落ちついて書類を見返すと、実際は保険が解約され、新たな保険に加入していた。「全部『いいえ』に丸を」と言われて記入した書類は、病歴などの告知書だった。母親は篤志さんに相談。勧誘の3週間後、親子で局員を自宅に呼び、問いただしたのが冒頭の音声データだ。

かんぽ生命の不正問題で、調査を急ぐ18万件以外にも不正が疑われる契約があることがわかってきました。かんぽの全契約数は約3千万件もあり、その対応は遅れそうです。置き去りにされかねない契約者を取材しました。

当初から翻った証言

 音声データでは、告知書は入院以外の項目をあまり確かめず記入させた、と局員が認めたような発言もある。保険手続きに詳しい篤志さんが、法令や社内規定に反する行為が多々あると指摘。「おかしくないか」と聞くと、2人の局員は押し黙った。

 だが、母親にも聞き取り調査をしたかんぽ生命保険のお客さま相談室から届いた文書では、局員が「解約・契約は客(母親)の意向だった」「家族の同席を何度か頼んだが、当日中の手続きを(母親が)希望した」と証言していた。かんぽは「解約・契約は重要事項を説明したうえで手続きした」と認定しつつ、告知書が「見えにくかった」ことなどは認め、契約を元に戻す手続きに応じる「和解案」を示してきた。

 かんぽの認定では、勧誘された母親のほうがウソをついたことになる。坂部さん親子は「まるでクレーマーのような扱いだ」と反発し、和解には応じなかった。

 納得できない2人は、冒頭の発…

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