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 肉や魚を食べないベジタリアン(菜食主義者)らが安心して食事できるよう、飲食店や食品メーカー向けのガイドラインをつくる検討が始まった。来年の東京五輪・パラリンピックで訪日客が増える前に対応しようと、超党派の国会議員は6日に議員連盟を立ち上げ、議論を本格化させる。

 菜食主義は、動物愛護や健康のため、生き物を殺生しない宗教上の理由などで実践する人がかねており、近年は地球環境への影響を考慮して選ぶ人々も増えている。乳製品や卵などの動物性たんぱく質も食べない、ビーガン(完全菜食主義)の人も少なくない。食に制限がある人向けのサイトを運営する「フレンバシー」によると、2018年の訪日外国人3119万人のうち、推計で約150万人がベジタリアンかビーガンだった。

 ただ日本では理解が必ずしも広がっておらず、訪日客からは「ベジタリアンやビーガンが利用できる飲食店が少ない」「和食も魚のだし汁が使われていると食べられない」「安心して食べられるのはコンビニの塩おにぎりぐらい」などの声が出ている。

 こうした状況に対応しようと、元官房長官の河村建夫衆院議員(自民)らを呼びかけ人に有志の国会議員が「ベジ議連」(通称)を立ち上げる。現段階では消費者庁を担当省庁とし、来春をめどに対応方法の指針を作り、飲食店やコンビニ、食品メーカーに示すことを目標とする。

 飲食店の店先やメニューに、ベジ対応をしているかを明示させることを努力規定として指針に盛り込むことも想定。「ベジカレーと表示されていたのに、調理にラードが使われていた」といったミスが起きないよう、認証制度を設け、ベジ対応を示す「Vマーク」(仮称)づくりも検討していく。

 国連食糧農業機関は2006年、牛や豚などの家畜から排出されるメタンガスを「気候変動の主な原因」と位置づけた。海外では元ビートルズのポール・マッカートニーさんらの呼びかけで、月曜日は肉を食べない「ミートフリーマンデー」などの運動もある。(伊藤喜之)

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検討されているベジタリアン・ビーガン政策

◎飲食店や食品メーカー向けガイドラインの作成。ベジタリアン、ビーガンの定義を周知し、動物性原料の混入リスクを減らす。店先などでベジ対応の有無の表示を促す

◎ベジ対応の認証マーク「Vマーク」(仮)の導入

◎環境行政にベジ対応を組み込む。飲食を伴う観光イベントや職員食堂でのベジメニューの提供