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 国家公務員らによるマイナンバーカードの一斉取得を進めるため、各省庁が全職員に対し、取得の有無や申請しない理由を家族(被扶養者)も含めて尋ねる調査をしている。内閣官房と財務省の依頼を受けたもので、氏名を記入して上司に提出するよう求めている。調査を受けた職員からは、法律上の義務でないカード取得を事実上強要されたと感じるとの声が出ている。

 政府はマイナンバーカードを2021年3月から健康保険証として使えるようにする計画で、6月に閣議決定した「骨太の方針」に、国と地方の公務員らによる今年度中のカード取得の推進を盛り込んだ。22年度末までに国内のほとんどの住民がカードを保有するとも想定し、「普及を強力に推進する」としている。

 朝日新聞は各省庁などに送られた7月30日付の依頼文を入手した。内閣官房内閣参事官と国家公務員共済組合(健康保険証の発行者)を所管する財務省給与共済課長の役職名で、骨太の方針に基づき、各省庁などの部局長から全職員に対し、家族も含めてカード取得を勧めるよう依頼。10月末時点の取得状況の調査と集計・報告、12月末と来年3月末時点の集計・報告を求めている。

 文書に添付された調査用紙には個人名の記入欄、家族を含む取得の有無や交付申請の状況、申請しない場合は理由を記す欄があり、「所属する部局長に提出してください」ともある。

 財務省給与共済課によると、調査対象は国家公務員や独立行政法人職員ら共済組合員約80万人と被扶養者約80万人を合わせた約160万人。同課は取材に「回答に理由を記載するかは自由で、決して強制ではない。人事の査定に影響はない」と話している。調査は取得に向けた課題を洗い出すためで、今後は各省庁などを通じて取得率の低い部局に取得を促すという。

 マイナンバー法で、マイナンバーは全住民に割り振られているが、カードを取得するかどうかは任意だ。調査を受けた経済産業省の関係者は「公務員は政府の方針に従い、率先してカードを持つべきだというのは分かるが、記名式で家族の取得しない理由まで聞かれ、取得の強要と感じた」。財務省の関係者は「取得を迫るようなやり方に違和感を覚える。3年余でほぼ全住民が保有すると閣議で風呂敷を広げたせいで、普及に必死になっている」と漏らす。

 地方公務員ら約310万人については総務省が6月から調査。同省福利課によると、職員の名前は明記させず、本人や家族の取得の有無を職場全体で取りまとめる形で行った。取得しない理由などは尋ねていない。担当者は「事務作業の負担を考えて調査項目は必要最低限にした」と話す。

 マイナンバーカードは16年1月に交付が始まった。利便性の低さや個人情報の漏洩(ろうえい)への懸念などから普及が進まず、11月1日現在の交付枚数は約1823万枚、取得率は全住民の14・3%にとどまる。総務省所管の団体は7月、普及が進むとの政府の想定に基づいて5500万枚分の製造を2業者に発注している。(座小田英史、横枕嘉泰)