斉藤佑介
缶ビールを飲み干し、通りかかった病院の陰で嘔吐(おうと)した。男性(36)はこの1週間、まともに食事をしていなかった。10月3日午後11時、東京・阿佐谷にある彼女のマンションからの帰り道。2本目に口をつけたところで、iPhoneを取り出して、撮りためた写真を開いた。
30分前に、彼女から「もう元には戻れない」と告げられた。自室に戻るときに1度だけ振り返った彼女は泣いていた。初めて見る表情に、何も言えなかった。
彼女と知り合ったのは、3年前。長野から上京し、専門学校に通いながら男性が勤める派遣会社でアルバイトをしていた。そろそろ身を固めて九州にいる親を安心させたい、と考えはじめたころだった。
だが、「管理栄養士になる」と…
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朝日新聞社会部