拡大する写真・図版 西田敏行さん主演で映画化された「星守る犬」。原作の村上たかしさんは懸命に生きて立ち枯れるヒマワリの姿を主人公に重ねたという=(C)2011「星守る犬」製作委員会

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 2009年に単行本になった漫画『星守る犬』。物語は、主人公の「おとうさん」が白骨化して身元不明の「行旅死亡人」として発見されるところから始まる。

 不況下でリストラにあい、持病を抱え、妻と娘にも去られた中年男性が、愛犬と気ままな車の旅に出る。所持金もガソリンも尽きたとき、たどり着いた野原が終(つい)の場所だった。彼は身元の痕跡を消し、愛犬に見守られて永眠する。

 切ない最期には違いない。

 「でも、決して不幸ではなかった」と、作者の村上たかしさん(54)は言う。

     *     *

 この物語の種は、村上さんが数十年前に見た大阪駅近くのビルの電光掲示のニュースだという。「廃棄車両に男性の遺体。足元に犬の遺体も」。限られた字数になぜ犬のエピソードまで入れたのか。心に引っかかった。

 村上さん自身、小学生のときに両親が離婚し、経済的にも、家族関係でも、恵まれていたとは言いがたかった。若い頃は、いつも根無し草の思いがあった。

 でも、犬はいつも忠実だった。「足元の犬」にひかれたのは、そんなことも影響したのかもしれない。

 「孤立しても、かわいそうとは限らない。心の持ちようで、満足していたのかもしれない」。その思いを素直にぶつけたのが『星守る犬』だった。

 「おとうさん」は誠実に働き、目の前の弱者を助けた。切れ者ではないが悪人でもない。不況で生活を、連鎖して家族を失っただけだ。みとる人はいなかったけれど、最期まで、その後までも、愛犬が一緒にいてくれた。

 だから、リーマン・ショック翌…

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