サンパウロ=岡田玄
南米チリのピニェラ大統領は30日に記者会見し、同国の首都サンティアゴで開催を予定していた11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と、12月の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)を開催できないと発表した。サンティアゴでは市民による激しい抗議活動が続いており、「国内問題に集中するため」という。
APEC首脳会議は安倍晋三首相を含め、多くの首脳が参加予定だ。また、会議に合わせてトランプ米大統領と習近平(シーチンピン)中国国家主席が会談し、通商問題などを協議する見通しだった。日ロ首脳会談も予定されていたが、ロシア大統領府はピニェラ氏の会見に先立って、プーチン大統領がAPEC首脳会議に参加しないと発表していた。
会見でピニェラ氏は「両会議に影響を与えるため心苦しい決断だったが、チリの大統領として国民の関心事への対応を優先しなければならない」と述べた。延期するのか、別の場所で開催するのかは、明らかになっていない。
チリでは、公共交通機関の運賃値上げをきっかけに抗議が発生。一部が暴徒化し、地下鉄の駅を焼くなどした。ピニェラ氏は、運賃値上げの凍結や年金支給額の増額、内閣改造などをしたが、抗議活動が収束する兆しはみえない。
APECは1989年に発足した、アジア太平洋地域の国々による経済協力の枠組み。現在は21カ国・地域が参加し、会合は毎年秋に開かれている。
COPは95年から毎年開催されている。COP25では、来年から本格実施される、地球温暖化防止に向けた国際ルールのパリ協定の運用などが議題となる予定だった。(サンパウロ=岡田玄)
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朝日新聞国際報道部