孤立地区に応急橋が完成、久々に車で外部へ 福島・矢祭
田中基之
台風19号で、集落の外とつながる唯一の橋が流失した福島県矢祭町の高地原地区で3日、急ごしらえの橋が完成した。住民は22日ぶりに車で外部へ行き来できるようになった。
完成した橋は、土囊(どのう)や砂利を敷いた幅5メートル、長さ60メートルの簡易的なもの。照明はなく、夜や川が増水した時は通行できない。地区に住む石井豊子さん(73)は「スーパーとかあちこち回って、いろいろ買ってきます」と笑顔で出かけた。
同地区には11世帯30人が暮らしている。橋が増水で流失し、住民は約50メートル上流にあるJR水郡線の鉄橋を歩いて外に出かけていたが、鉄道が1日に復旧し、自由に通ることができなくなっていた。
応急的な橋を町に提案した石井満さん(63)は「地区に残りたいという住民の気持ちを町が理解してくれた。普通の生活に戻れます」と話した。町は半年後を目標に、より安全な仮橋の建設を進める。(田中基之)
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