1年半前、仙台市青葉区に新居を構えたばかりの会社員佐々木裕二さん(36)は、まさか我が家が災害に巻き込まれるとは思いもしなかった。台風19号の大雨の影響で、家があった崖地が擁壁ごと崩れ落ち、住めなくなったのだ。保険は対象外、公的支援が受けられるかもわからず、途方に暮れるしかない。
おととし長女が生まれた佐々木さんにとって、念願のマイホーム。仙台駅から5キロ、丘の上の造成団地に約250平方メートルの宅地を買い、昨年初めに2階建て注文住宅が完成した。コンクリート壁で固められた10メートルほどの崖の上で、眺めは抜群、広い窓から光が注ぐ。費用4千数百万円は、40年のローンを組んだ。
10月12日、翌日のラグビーW杯を釜石で観戦しようと、家族で岩手県の温泉に出かけた。台風のニュースは見ていたが、気にしたのは、以前も水害にあった登米市の実家のこと。
13日朝、仙台北署から安否確認の電話が来た。「ご家族は無事ですか」「???」。急いで仙台に戻り、言葉を失った。
芝生を敷いた庭とウッドデッキがこつぜんと消えている。家はぎりぎり落ちずにとどまっていた。
崩れた擁壁や土砂が、下を流れ…
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朝日新聞社会部