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 自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の罪に問われ、禁錮1年を求刑された山口県下関市の女性(78)に対し、山口地裁下関支部(辛島靖崇裁判官)が無罪を言い渡していた。判決は県警が虚偽の内容を含む調書を作り、「違法・不当な捜査による暗示・誘導の介在」があったと認定した。

 判決は7月23日付。検察側が控訴し、広島高裁での初公判が12月3日に予定されている。

 判決などによると、女性は2016年7月21日、下関市豊浦町小串の国道191号を乗用車で走行中、対向してきた当時20代の男性の乗用車と衝突。弾みで後続の当時60代男性の乗用車に衝突し、この男性2人ら計3人が重軽傷を負った。女性の弁護人によると、女性の乗用車が中央線を越えて対向車線に進入したかどうかをめぐり、男性2人の供述の信用性を争っていたという。

 判決は、公判での60代男性の供述などから、事故後の県警の実況見分には男性が立ち会っていなかったとし、「警察官があたかも男性が立ち会って事故状況を説明したかのような虚偽内容を含む実況見分調書を作成した」と指摘。県警がこの調書を示して男性の供述を求めたとし、女性が対向車線に進入したとする男性の供述の信用性に疑問を示した。

 さらに専門家の鑑定結果などを踏まえ、20代男性が中央線を越えて対向車線に進入し、衝突した可能性もあるとし、「(女性の)過失により事故を起こしたことを認めるに足りる証拠はない」と結論づけた。

 山口県警交通指導課は「裁判が継続中なので、コメントする立場にない」と話した。(山崎毅朗)