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 台風19号や大雨などの被災地の生活再建に向け、加藤勝信厚生労働相は1日の閣議後記者会見で、「明日からの3連休は天気も比較的安定しているので、ボランティア活動にご参加いただければ」と呼びかけた。各市町村の社会福祉協議会のホームページなどで募集状況を確認してから、体調や安全にも配慮して参加するよう求めている。全国社会福祉協議会によると、1日午後1時時点でボランティアを多く必要としているのは次の14自治体。

 【岩手県】宮古市、釜石市、久慈市、山田町、普代村【宮城県】丸森町【福島県】いわき市、郡山市、南相馬市、川俣町【栃木県】栃木市、佐野市【千葉県】長柄町【長野県】長野市

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 被災地の復旧・復興を手助けするためには、どんなことに注意すればいいのか。

 まずは被災地の被害状況や、ボランティアの募集状況を把握することが大切だ。全国社会福祉協議会は「まずは自分自身で被災地の情報を収集し、現地に行くか、行かないかを判断すること」と呼びかける。

 多くの場合、地元自治体の社会福祉協議会(社協)などが中心になってボランティアセンター(ボラセン)を設けてボランティアを受け付ける。同時に泥かきや浸水家具の片付けなど、被災者ごとに異なるニーズを整理し、ボランティアに役割を割り振る形が一般的だ。

 ただ、混乱している被災地ではすぐにボラセンを開けないこともある。特に、ボランティアの経験が少なく自己完結型の活動が難しい人は、現地の受け入れ態勢が整っていない段階で行っても効率的な活動ができず、逆に現地の負担を増やしてしまうこともある。まずは受け入れ態勢が整うのを待ったほうが賢明だ。

 被災地支援活動が豊富なNPO法人「レスキューストックヤード」(名古屋市)の担当者は「情報収集の際は、社協や自治体に電話で問い合わせるのはできるだけ控え、インターネットなどで自分で調べてほしい」と話す。やるべきことが山積している被災地側は、電話応対も負担になるからだ。

 全国社会福祉協議会は各地のボランティア募集状況の一覧をウェブサイト(https://www.saigaivc.com/別ウインドウで開きます)に載せ、随時更新している。ボランティアの募集対象を近隣住民に限っている自治体もある。

必要な準備は?

 ボランティアに行くには、どんな準備が必要なのか。

 ボランティアは自分ができることをすればいい。泥かきなどの力仕事ができなくても、掃除、炊き出しや足湯、避難所の運営支援といった役割もある。長期的には被災者の話し相手や仮設住宅などでの生活支援をNPOなどが募るケースもある。無理をしては逆に被災地に負担をかけることになりかねないから、自分ができる役割を考え、それに沿った備えをしていくことが大切だ。

 被災家屋で泥かきや家具の運び出しなどに携わる場合は、安全と衛生面に気をつける。ヘルメットや、とがったものを踏んでも大丈夫な長靴があったほうがいい。泥は様々な汚れを含んでいるため、感染症の危険もある。マスク、長袖長ズボン、ゴム手袋、ゴーグルといった肌やのど、目を守る装備が必要だ。床下や停電家屋での作業にはヘッドライトも役に立つ。

 スコップなどの道具は現地のボランティアセンター(ボラセン)で用意していることも多いが、持参できれば重宝する。雪かき用のプラスチック製のスコップは、乾燥後の泥かきにはあまり役立たない。また、道具を多く積んでマイカーで行く場合は、復旧に従事する車両の妨げにならないよう、道路状況や駐車スペースを確認してから現地に入ろう。またボランティアに公共交通機関の利用を求めている場合もあれば、交通機関が被災して止まっているケースもある。こうした点も事前に調べておこう。

 活動中の事故などに備えるため、ボランティア活動保険がある。保険料は年数百円程度。できるだけ出発地で入っておく。地元の社会福祉協議会(社協)などに相談しよう。災害時はインターネット上で手続き(クレジットカードが必要)できる場合もあるので、調べておこう。

 食事や水、宿泊先も、原則として自分で準備する。ボランティアバスなど、団体で赴く場合は用意されることもあるが、原則は自己完結だ。被災地の宿泊施設や飲食店は営業していなかったり、復旧関係者でいっぱいだったりすることもある。また食料や装備品は、地元の人の分を使ってしまわないよう、現地調達は避け、被災地に入る前にそろえよう。活動地から少し離れた、被災していない地域に宿を取り、通うのも手だ。

 一方で、被災地は観光や流通の滞りで経済的なダメージを受けることも多い。稼働しており、空きが多いようなら、被災地の宿や店を使うのも支援になる。

 これらの準備はいずれも、被災地に入る前にできる限り済ませるのが鉄則。そのためにも報道やインターネットなどで事前に十分な情報を集めて、被災地が求めていることの中で自分にできることは何か、そのために何が必要かを考えておこう。

心がけたいことは

 ボランティアが活動するときは、疲れている被災者の負担にならず、傷つけることのないよう、心がけたい。

 家屋での作業は、私的空間に立ち入っていることを忘れずに。汚れていても壊れていても、住人にとっては思い出の詰まった「我が家」や「家具」であり、「がれき」や「ごみ」と呼ばない。住人の意思を尊重し、傷んだ家財の処理などを勝手に進めない。

 住人や現場のリーダーの指示に従い、気持ちよく作業しよう。名札をつけて、互いに名前で呼び合うだけでも安心感が増す。時には手を止めて、住人の話をじっくり聞くだけでも、心がほぐれるかもしれない。

 善意の行動のつもりが被災地に負担をかけることにならないためにも、ボランティアはまず自己管理ができることが原則だ。思わぬ事故や病気に見舞われることもある。十分な休憩をとり、体調管理は万全に。無理は禁物だ。

 全国社会福祉協議会は「災害ボランティア活動には大きな期待が寄せられる一方で、ボランティア活動が被災地の人々や他のボランティアの負担や迷惑にならないよう、ボランティア一人ひとりが自分自身の行動と安全に責任を持つ必要があります」と呼びかけている。